どうして女は占いが好きなんだ。


ベッドの上で渡された紙には『体位占い』の文字。
口で言えばいいものを、やたらと恥ずかしがる。
その癖、そこに書いてある交わりの形以外をしようとすると
やんわりと拒絶する。

 
「今日のお二人に最適なPositionは、正常位。
 見つめあって愛を確かめ合えば、興奮度もより一層UP」


…馬鹿馬鹿しい。


結局その姿勢でヤるのが普通だろ。
四十八手なんて言ったって
馴れた身体と身体、ぶつけ合うだけで良い時だってある。

 
足を大きく開かせて、音が出るように臀を突き入れる。
聞き慣れた、小鳥のような声を出して
こいつは気持ちよさそうにしている。
だんだん悔しくなって、途中で止める。

 
「えっ・・・やだ・・・もう少しだったのに・・・」

 
強引に後ろを向かせ、文句を言わせず差し込む。
焦らせるつもりはなかったが、思いの他自分から腰を振る。
手で握り締めるよりずっと強く、
こいつの芯が、俺を揺さぶりだす。
早く、強く、抜いては差し、つながりを確かめる。
顔を見なくたって、登りつめるタイミングは分かっている。


「ほら、占いなんて関係ないだろ」
 
「ん、あ」

 
言葉なんて要らない。占いなんてクソくらえだ。
こいつが占いで俺をはかっている間は、
長い時間をかけて、ようやく腕の中に、
今、抱きしめている俺のほうがずっと、想っている。

 
「好きだ」
 

耳元で言った瞬間、漏れそうになった。
見つめあわなくたって、俺にはこいつだけなんだ。
 







          fortune-telling not tell a truth