F.A.SS -
「鋼の錬金術師」の二次創作
【基本のエドロイSS】 -
原作をベースにした、エドロイSSです。
時系列順に並んでいます。
(下に行くほど後の出来事になります。)
誰がために - (まだロイの片想い)08.06.25up
- (両想いでもお互い気付かない)08.6.26up
水の中の月 - (告白)08.6.29up
- 08.6.30up
- (初めての触れ合い。大佐が咥えるのみ)08.7.1up
- (初体験)08.7.11up
蹟(しるし) - (大佐から初めてのキスマーク) 08.7.16up
シチュー - (大佐が熱を出さなくなったあたり)08.7.16up
- (大佐が壊れてます。ちょっとギャグ)08.7.22up
フソク - (豆がいないと闇がぶり返す大佐)08.7.22up
摂取 - (「フソク」の続き。相変わらず闇に囚われている大佐と帰ってきた豆)
08.7.22up
Turn R
Turn E
幕間 - (ごめんなさいなギャグ)
08.8.8up
- (ヤってるときのエドVer. 「虚」と対になってます。)
08.8.8up
- (ヤってるときのロイVer. 「彩」と対になってます。)
08.8.8up
- (「虚」の続き。どーしようもなくグダグダなロイ)
08.8.8up
- (兄さんと酔ってご機嫌の大佐。未然ジェラシー)08.10.25up
- (鬼畜い兄さん♪後、ヘタレ)08.10.25up
【遊 シリーズ】 -
パラレル。税務署長のロイと税理士のエド。

このSSは途中からRPG方式で、「遊」(ロイエドVer.)と「遊 脇道」(エドロイVer.)に枝分かれします。
但し、「遊 脇道」は「遊」本編と「遊 番外編」数本を包括した入れ籠構造になっておりますので、
「遊」→「遊 番外編」→「遊 脇道」の順に読まれることをお奨めします。
その順番にupして行きます。

「遊」vol.1〜vol.9 - 「遊」「遊 脇道」とも枝分かれするまで共通です。
「遊」vol.1 - 08.11.12up
「遊」vol.2 - 08.11.12up
「遊」vol.3 - 08.11.13up
「遊」vol.4 - 08.11.13up
「遊」vol.5 - 08.11.13up
「遊」vol.6 - 08.11.16up
「遊」vol.7 - 08.11.16up
「遊」vol.8 - 08.11.16up
「遊」vol.9 - 08.11.16up
「遊」 Vol.10以降(ロイエドVer.) -
ロイエドがお嫌いな方も、これはこの後のエドロイver.がこの「遊」のロイエドバージョンを含んだものですので、お読み戴ければ幸いと存じます。

「遊」vol.10 - 08.11.19up
「遊」vol.11 - 08.11.19up
「遊」vol.12 - 08.11.19up
「遊」vol.13 - 08.11.19up
「遊」vol.14 - 08.12.7up
「遊」vol.15 - 08.12.7up
「遊」vol.16 - 08.12.7up
「遊」vol.17 - 08.12.7up
「遊」vol.18 - 08.12.7up
「遊」vol.19 - 08.12.7up
「遊」vol.20 - 08.12.7up
「遊」vol.21 - 08.12.12up
「遊」vol.22 - 08.12.12up
「遊」vol.23 - 08.12.12up
「遊」vol.24 - 08.12.12up
「遊」vol.25 - 08.12.12up
「遊」vol.26 - 08.12.12up
「遊」vol.27 - 08.12.12up
「遊」vol.28 - 08.12.12up
「遊」vol.29 - 08.12.12up
「遊」vol.30 - 08.12.12up
「遊」vol.31 - 08.12.16up
「遊」vol.32 - 08.12.16up
「遊」vol.33 - 08.12.16up
「遊」vol.34 - 08.12.16up
「遊」vol.35 - 08.12.17up
「遊」vol.36 - 08.12.17up
「遊」vol.37 - 08.12.17up
「遊」vol.38 (これで完結です) - 08.12.17up
「幻」 (「遊」 番外編)(エドロイ) - 08.12.17up - (旧テレビアニメのラストから映画シャンバラのその後。ロイVer.)
「惑」 (「遊」 番外編)(エドロイ) - 08.12.17up - (旧テレビアニメのラストから映画シャンバラのその後。エドVer.)
「遊 脇道」(エドロイVer.) - 「遊」Vol.10以降
こちらはエドロイバージョンのうえ、ロイが精神的に壊れてしまっています。
しかも暗いです。
弱いロイが厭だという方はお読みならないで下さい。
「遊 脇道」Act.1 - 08.12.17up
「遊 脇道」Act.2 - 08.12.19up
「遊 脇道」Act.3 - 08.12.19up
「遊 脇道」Act.4 - 08.12.19up
「遊 脇道」Act.5 - 08.12.19up
「遊 脇道」Act.6 - 08.12.19up
「遊 脇道」Act.7 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.8 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.9 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.10 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.11 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.12 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.13 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.14 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.15 - 08.12.21up
「遊 脇道」Act.16 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.17 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.18 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.19 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.20 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.21 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.22 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.23 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.24 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.25 - 08.12.23up
「遊 脇道」Act.26 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.27 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.28 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.29 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.30 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.31 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.32 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.33 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.34 - 08.12.24up
「遊 脇道」Act.35 - 08.12.26up
「遊 脇道」Act.36 - 08.12.26up
「遊 脇道」Act.37 - 08.12.26up
「遊 脇道」Act.38(とりあえず完結ですが、「澱」へ続きます) - 08.12.26up
「澱」 (「遊 脇道」完結話) - 08.12.26up - (「脇道」のロイVer. これで「脇道」の本編は終わりになります)
「寥」 (「遊 脇道」 番外編 エドロイ) - 09.1.7up - (「幻」の割愛部分)
「仕」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ) - 09.1.7up - (駅前相談するセンセイ)
「誤」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ) - 09.1.7up - (ある日税務調査が…)
「加」 (「遊」番外編 エドロイでもどっちでも) - 09.1.7up - (本編に入れ忘れた生協の小ネタ)
「罪」 (「遊 脇道」番外編) - 09.1.7up - (そして今2人は)
「問」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ) - 09.1.7up - (そして今2人はその2)
「策」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ) - 16.12.29up - (あの夜の男は)
【その他 ロイ受】
「戯」 (ブラロイ) - 09.1.7up - (ロイにホムンクルスと知られ、別れを告げるブラッドレイ)
「蓮」 (キンロイ) - 09.1.7up - (イシュヴァールにて。意外にほのぼのかと…。)
「痴」 (エドロイ)(単発) - 09.1.7up - (淫乱ロイの純情)
「羞」 (エドロイ前提ハボロイ)(「痴」シリーズ?) - 09.1.7up - (「痴」の続編。エドを愛しているロイだが、ハボに…。いや、ハボは被害者なのですが。)
- 上下につながりはありません
「紅」 (エドロイ) - 09.1.7up - (久しぶりに司令部に来た兄さん)
【単発 ロイエド】 - (焦れたロイにレイプされるエド。18禁のレイプものですんで、ご注意下さい)
「赦」 Act.1 - 09.1.7up
「赦」 Act.2 - 09.1.7up
【単発 ハボロイ】
「憂」 - 14.10.16.up - (ロイとハボックの阿呆らしいすれ違い)
「今更」 - 09.1.7up - (自分の想いに気付くロイ)
「蜜」 - 09.1.7up - (恋人になった後。エロシーンばっか)
「背」 - 09.1.7up - (ハボの背中に惹かれるロイ)
【「錯」シリーズ】 - ハボロイオンリーです。
イシュヴァールでの経験がロイに与えたものは…。
- 今はなき某数字SNSで、2007年9月から書いていたものです。
「錯」 Act.1 - 09.1.7up
「錯」 Act.2 - 09.1.7up
「錯」 Act.3 - 09.1.11up
「錯」 Act.4 - 09.1.11up
「錯」 Act.5 - 09.1.12up
「錯」 Act.6 - 09.1.16up
「錯」 Act.7 - 09.1.16up
「錯」 Act.8 - 09.1.17up
「錯」 Act.9 - 09.1.17up
「錯」 Act.10 - 09.1.18up
「錯」 Act.11 - 09.1.20up
「錯」 Act.12 - 09.1.21up
「錯」 Act.13 - 09.1.24up
「錯」 Act.14 - 09.1.27up
「錯」 Act.15 - 09.1.29up
「錯」 Act.16 - 09.2.1up
「錯」 Act.17 - 09.2.6up
「錯」 Act.18 - 09.2.12up
「錯」 Act.19 - 09.2.15up
「錯」 Act.20 - 09.2.20up
「錯」 Act.21 - 09.2.26up
「錯」 Act.22 - 09.3.9up
「錯」 Act.23 - 09.3.13up
「錯」 Act.24 - 09.3.20up
「錯」 Act.25 - 09.3.26up
「錯」 Act.26 - 09.4.7up
「錯」 Act.27 - 09.4.21up
「錯」 Act.28 - 09.5.6up
「錯」 Act.29 - 13.5.21up
「錯」 Act.30 - 13.5.22up
「錯」 Act.31 - 13.5.23up
「錯」 Act.32 - 13.5.26up
「錯」 Act.33 - 13.5.31up
「錯」 Act.34 - 13.6.2up
「錯」 Act.35 - 13.6.17up
「錯」 Act.36 - 13.6.19up
「錯」 Act.37 - 13.6.26up
「錯」 Act.38 - 13.7.11up
「錯」 Act.39 - 13.7.14up
「錯」 Act.40 - 13.7.19up
「錯」 Act.41 - 13.7.27up
「錯」 Act.42 - 13.8.13up
「錯」 Act.43 - 13.11.22up
「錯」 Act.44 (完結) - 13.11.26up
「聴」 (『錯』番外編) - 最終話後、ツケを支払に行くロイ。
Vol.1 - 17.1.7up
Vol.2 - 17.1.7up
【瑠】シリーズ - 【注意書きです】
これはいつものロイエドロイと、また原作とも異なるパラレルのロイエドロイSSです。
(すみません!最初間違えて『ロイエド』と書いてましたが、ロイエドロイです。)
原作またはアニメ設定以外受け容れないと言う方はお読みにならないで下さい。
最初は「人魚」のタイトルでしたが、後に「瑠」にしました。
「瑠」 Act.1 - 16.12.30up
「瑠」 Act.2 - 17.1.1up
「瑠」 Act.3 - 17.1.3up
「瑠」 Act.4 - 17.1.11up
Gift - 頂き物など
取調室にて -
ヒューズ×ロイ from 志乃さま
give me more -
ヒューズ×ロイ from 志乃さま
> 【その他 ロイ受】 > 「羞」 (エドロイ前提ハボロイ)(「痴」シリーズ?)
「羞」 (エドロイ前提ハボロイ)(「痴」シリーズ?)
09.1.7up
(「痴」の続編。エドを愛しているロイだが、ハボに…。いや、ハボは被害者なのですが。)
【注意です】
基本はエドロイなのですが、ヤってるのはハボロイです。
ハボロイがお嫌な方はお読みにならないで下さい。

「痴」の続きです。
 

    「羞」


「羞恥プレイというものがしてみたい。」
「無理っス。」
上官の言葉に即答したのは金髪の大男。
「何故だね?
 自信が無いのか?」
ムッとしながらも挑発してくる上官に
「オレじゃなくてあんたが無理だって言ってんスよ。
 あんた羞恥心に欠けてるでしょーが。」
「失礼な。私はプライドの高い人間だぞ。」
「あー、はいはい。
 他のことではね。
 しかしコト、セックスに関しちゃあ、あんた羞恥心のカケラもないでしょう。」
「むぅ。」
身に覚えが有りすぎる上官は押し黙った。

(全くどこでナニを聞いてきたんだか。)
仕事に飽きたからセックスの相手としろ、と執務室に呼ばれた金髪碧眼の部下、ハボック少尉は溜め息をついた。
(そもそもこの人、羞恥プレイの意味が解ってるのかどうかも怪しいモンだ。)


目の前でふんぞり返っている黒髪黒瞳の上官、ロイ・マスタング国軍大佐殿は奔放なセックスをすることで有名だ。
特に、気に入った相手には誰にでも抱かれることで知られている。
それ故様々な経験が有りそうなモノだが、実は結構そうでもないのだった。
もちろん淫具や媚薬の類の経験は多い。
拘束されることもよくある。
しかしそれはどれも本人が望むからでしかない。

意外にも大佐は軍内部で愛されていて、彼の望まないセックスプレイを無理矢理に強いる男どもはほとんどいない。
そもそも大佐に気に入られて抱くことが出来るというのは、男としてかなりのスティタスだ。
そこでわざわざ彼を怒らせるバカもいない訳で。
若い頃、主に出世のために上官達に抱かれていた頃は違ったのかも知れないが、当時の相手(ほとんどが今は将軍職だ。)の多くともまだ切れていないところを見ると、やはりそう酷い目にはあまり遭わされたことがないようだ。
なにしろ無類の甘え上手な男である。
意識しても無意識でも。
結果、とことん甘やかされて自分のしたいセックスを好きなだけしてきたのだが、その自覚が本人にはない。


ハボックは、軍内に無用な争いごと(大佐の取り合いだ。)を今以上起こさない為、また愛されていると言っても野心が有り、若くして大佐の地位にいる男には彼を陥れようとする政敵も存在しているので、抱かれる相手をあまり増やさない為にセックスの相手を務めるようホークアイ中尉に命令されている。
無論ハボックも命令とはいえ、厭々抱いているわけではない。
大佐が本当に愛している人間が誰かを知っているから、命令で抱いているという姿勢を崩さないだけで以前からハボックは彼を大切に想っていた。
上官、部下という関係を超えて。

中尉の命令と知っていてもハボックを呼ぶところを見ると、大佐もハボックには満足しているようだ。
他の男に抱かれるよりはずっと回数が多いという程度だが。

(自分が望まないセックスなんて知らないクセに。)
あの金髪金瞳の少年ですら、彼が帰った後の上官の機嫌の良さを見ると随分濃やかに抱いてやっているようだ。
侠気に溢れる優しい少年は、セックスとは相手を大切に扱い快感を与える行為だと認識しているのだろう。
自分が大佐に唯一愛されているのだと知らなくとも。
(そのヘンが大将のいいトコだよな。おっとこ前だぜ。)
敵うわけもないライバルながらも賞賛は惜しまない。

(にしても自分の意に染まないセックスを知らな過ぎるのも確かに問題だな。
 これを機会に少し懲りて貰うとするか。)
執務室に来る前に中尉と交わした会話を思い出して策を練る。

「何を黙っているんだ?ハボック。」
放っておかれて焦れたのか、上官が上目遣いに拗ねた声を出す。
(んっとーに甘え上手だよな。)
思わず苦笑してしまう。
「何を笑っている!」
口を尖らせて睨んでくる様子すら男を煽る。
「大佐のお気に召すよう考えてたんスよ。」
「なにをだ?」
「羞恥プレイ。したいんでしょ?」
にっこりと笑ってその躰に手を匍わすと機嫌が直ったようだ。
「無理なんじゃなかったのか?」
(やっぱ意味解ってねえな。この人。)
嬉しそうに笑う上官を見て思うが、今回はせいぜい堪能してもらうことにする。

「今日は無理ですから、明日。
 色々と用意もありますんでね。」
「用意がいるようなものなのか?」
子供が遊びの話をしているようだ。
「ええ。羞恥心に全く欠けたアナタを満足させるためにはしっかり用意をする必要があるんです。
 明日は午後、軍議があるんでしたよね?」
確か開始はヒトマルサンマルだったはず。
「ああ。その予定だ。」
「何時頃終わりますかね?」
んー。と少し考えて
「だいたいいつも3時か4時の間くらいだな。」
「了解っス。じゃあ明日朝イチで呼んで下さいよ。
 用意をしますから。」
「解った。」
楽しみだというように頷く姿は本当に子供のようだ。
「じゃあ今はどうしましょうか?」
(こうやって希望を聞いちまうのがいけないんだよな。)
とは解っていてもつい甘やかしてしまうのだった。


翌朝、約束通りに大佐がハボックを執務室へ呼んだ。
「で、どうするんだ?」
(ホント、子供の遊びと大佐のセックスは同義だな。)
「あ、最初に約束して下さい。」
「? 何をだ?」
「プレイが終わった後に、大佐が思っていたのと違っていたとしてもオレに文句を言わないこと。
 オレを燃やそうとしないこと。
 いいですか?
 約束できますか?」
「ああ。解った。約束しよう。」
うきうきとも見える顔で約束をする。
「絶対ですよ?
 はい。じゃ、失礼します。」

大佐は気に入って一度抱かれた相手にならば、セックスの時に何をされるのか解らなくとも一切訝しんだりしない。
それも中尉とハボックの心配事の一つだ。
今まではそれで済んできたかも知れないが、これからどんな目に遭うか解らない。
普段隙のない性格だけに、そこに付け込まれるのが困る。
最大の弱点といえよう。
だからこそ、ハボックだけを相手にして欲しいと中尉は進言し続けているのだ。
(勿論中尉もエドワードは別扱いだ。)

「これは?」
「これから一日、勃起したんじゃ仕事にならないでしょう?」
萎えたままの大佐のモノの根元をヒモで縛る。
「一日?」
すぐにでも『羞恥プレイ』をするモノだと思っていたらしい。
一体仕事を何だと思っているのか。
「ええ。プレイは軍議の後です。今はその用意。
 さ、机に手をついて。」
手際よく処理をして躰の中に親指大のバイブレーターを仕込む。
「ハボック?」
振動を最弱にしてリモコンを内腿に縛り付ける。
「はい。これでいいっスよ。
 お仕事頑張って下さいね。」
服を直し、ぽんと肩を叩いて座らせた。

「このままで?」
少し上気した顔で聞いてくる。
「ええ。別に初めてじゃないスよね?」
淫具を躰内に入れて一日過ごすことも別にめずらしいコトではない。
そうめったにすることでもないが。
「あ…ああ。解った。」
実はよく解らないままにもハボックの言葉に頷く。
(ほんっとセックスに関しちゃ無防備な人だよな。
 困ったモンだ。
 これで懲りてくれればいいが。)
無論大佐だって本当にこんな全幅の信頼を置いて無防備になるのは、ハボックとエドワードにだけなのだが、それにしても快楽に弱いのは事実である。
少し懲りた方がいいと思う。←誰の意見やねん。

それでも軍議を終えるまで周りに全く気付かれずに、平素と同じ態度で過ごしたのはさすが大佐だ。
妙なところでハボックは感心した。
もう一度中尉と最終確認をして大佐の待つ執務室へと向かう。
「終わったぞ!」
(だから遊びの約束をしてた子供ですか!?)
それでも思惑のあるハボックは逆らわない。
「はいはい。お疲れ様でした。
 さて、始めますか。」
「ここでか?」
大抵は仮眠室でイタすのでそのつもりだったらしい。
「ええ。今日はここで。」
執務机の椅子に座った大佐にキスをする。

始めはいつもの通り、キスをしながら軍服とシャツのボタンを外して耳から首筋に唇を滑らせていく。
「ちゃんと外さなかったでしょうね?」
そんなことをするハズがないと解っていながらも確認をする。
主導権がこちらにあるのだと解らせるために。
「ああ…。そのままだ。」
元々感度のいい躰が、一日焦らされたせいでいつもよりも早くハボックの指や唇に反応を示し、すぐに登り詰めそうになる。

軍靴と靴下を脱がせてその指を咥えた。
大佐の好きな愛撫の一つだ。
風呂に入った後に限るが。
逆に仕事の後にこれをするのは厭がる。
「ハボック!やめろ!汚いから!」
引こうとする脚をしっかり握る。
力で敵う訳がない。
「今日は『羞恥プレイ』ですから。
 大佐の意見は聞きませんよ。」
構わず指の間に舌を匍わしていく。
「…そ…ういう…ものなのか?」
「ええ。そうです。」
(やっぱり解ってないんだな。)
「でも汚いぞ?」
「オレの好きなようにするんですから、大佐は黙ってて下さい。」
好きな人の躰に汚いところなんて無い。
そんな青春じみたことを口にする気はないが、そう思うのも事実だった。

相手の好きにされるのが『羞恥プレイ』というものなのかと、漠然と理解した気になっていた大佐は、それでも慣れたハボックの愛撫に躰が蕩けていくのを感じた。
「ああ、忘れてました。腕を後ろに廻して下さい。」
ワイシャツを残して上着は脱がされている。
疑問も持たずに後ろに廻された両手首をハボックはまとめて縛った。
セックスの時に拘束されるのには慣れているので、なんの抵抗も示さない。
そんな無防備な様子にハボックは改めて内心溜め息をついた。

大佐の好きなところを狙って舌を匍わせて行く。
その度にびくびくと痙攣をおこして声をあげる。
座っていた躰を引き上げ、上半身をうつ伏せに机に倒す。
スボンを脱がせて腿に縛り付けたリモコンを最強にすると躰が跳ねた。
「ああ…っ!」
一日刺激を受け続けた内部はもう疼いて限界に近い。
しかし根元を縛られた自身は勃起することも赦されていない。

「ハボック…なんとか…しろ…。」
振り返って命令するその悩ましい顔は十二分にハボックを煽ったが、ここで負ける訳にはいかない。
「オレの好きにするって言ったでしょう?
 大佐は命令が出来ないんです。
 『羞恥プレイ』ってそういうもんスよ?」
「ぅ…。」
そういうものなのかと納得したようだ。
「でも…ハボック…もう…。」
「もう?なんです?」
「これ…外してくれ…。」
「どっちです?」
「両方…。」
「ダメです。」
無情な声を出す。

そのまま黙って、どこにも触れもしないハボックにどうしたらいいのか解らず
「ハボック…。」
振り返って呼んでも動かないことに心底困っている。
躰も困っているのだが、手を縛られていては自分で外すことも出来ない。
ただひくひくと痙攣する躰を見つめられて途方に暮れていた。

「ハボック…もう『羞恥プレイ』はやめる…。」
ぽそり、と言葉が零れた。
(とことん解ってない!)
なんだかがっくり来たハボックはコトを進めることにした。
「仕方がありませんね。後ろだけ外してあげましょう。」
コードを少し引くと本体がイイトコロに当たったのか、大きく身体が跳ねた。
その場で止めてまたしばらく眺める。
「や!ハボック!もう抜け!」
「命令は出来ないって言ってるでしょう?
 何度言ったら解るんですか?」
殊更冷たい声で言うが、大佐はそろそろ理性が飛びかかっているようだ。
「もう…ハボック…も…いやだ…。」
もう一度コードをわずかに引くと、極端に快楽に弱い躰はあっさり理性を手放した。

上半身をおこして崩れるように床に座るとハボックの股間に唇を寄せてくる。
歯でファスナーを降ろし、開いた空間に舌を差し込んでハボックのモノを下着の上から突つく。
手を使えないもどかしさからか、鼻先までハボックのズボンに入れて顔全体を擦り付けている。
「そんなに欲しいんですか?」
ようやく聞けた声に顔を見上げて頷いた。
「欲しい…。」
快感に震え、泣きそうになりながらのおねだりにハボックは絆された。
頃合いもいい。

もう一度机にうつ伏せにさせると一気にバイブを引き抜いた。
「ああっ!」
いつもならこの刺激だけでイっているだろう。
とにかく感じやすい躰なのだ。
「こんなにトロトロになって。」
「早く。ハボック…。」
猥らに腰を揺らして強請ってくる。
どこまでも羞恥心に欠ける男を言葉で煽るのは不可能のようだ。
一気に根元まで貫いて突き上げると、高い悲鳴をあげて快感に背を大きく反らす。
2、3度確かめるように突き上げてから腰を引いて椅子に座り、その上に繋がったまま座らせる。
「ぃぁぁあ!」
自重で更に奥まで突き上げられ、高い悲鳴があがった。

腰を押さえて下から突き上げるのを繰り返していると
「もう…外してくれ…。」
止め処なく雫を垂らす自身を縛られているのが我慢できなくなっているようだ。
「ここですか?」
ワザと指先で弄ぶ
「ああっ!ん…ゃ…も…ハボック!」
その間も突き上げるのを止めない。

「もう…!」
大佐が叫ぶのと
「ちぃーす!」
ノックもせず元気にエドワードが入ってきたのは同時だった。

「な…?」
一瞬、快感も忘れて唖然とする大佐の口に素早くハボックが自分の指を二本咥えさせた。
口を聞けないように。
「え…?」
エドワードも目の前の光景に呆気にとられている。
「よお。大将。
 悪いけど、コレ終わるまでそこで見ててくれ。
 終わったら報告書を見るからって、大佐の命令だ。」
しれっとエドワードに告げる。
「〜〜!!」
声にならない抗議を無視して大佐の耳元に
「大将に『出て行け』とか『見るな』って言ったら、これ、このままにしますからね。」
囁くと同時に大佐のモノをぴん、と指で弾く。
「っ!」
(これで抵抗はしないだろう。
 後は大将だよな。大丈夫か。)
ハボックにとってエドワードはかわいい弟のようなモノだ。
そっちの方が心配になる。

「あのさ…ナニしてんの?」
いや、『ナニ』してんだよ、という古典的オヤジギャグをカマす気にはならなかった。
「んー。悪ぃな。
 大佐がどーしても『羞恥プレイ』をしてみたいって言うからさ。」
(大将以外の人間の前でセックスするのは全く平気だからな。)
心情を押し隠して、にやりと笑って言うと
「はー。並々ならぬ羞恥心に欠けた大佐殿が。
 なるほどな。」
同じくにやりと笑ってエドワードがソファにドカッと腰を降ろす。
(お!大将、相変わらずおっとこ前だな。)
ハボックは感心したのだが、エドワードの心情は違った。
大佐は誰にでも抱かれるのだ。
自分に抱かれるのも単なる気まぐれでしかない。
ここで自分が不愉快だと思っても、それを表す権利が自分にはないと思い込んでいるのだ。
自分が愛されていることなど知らないから。

「て!」
いきなり大佐に指を噛まれて思わず口から引き出す。
「違!鋼…」
言い募ろうとする大佐のモノを咄嗟に強く握った。
「ぁあ!」
刺激に反り返った頭がハボックの肩に当たる。
その耳元にもう一度囁く。
「このままがいいんですか?
 それでもオレはいいんスよ?」
指で上下に扱くと更に頭が反り返り、白い喉を晒す。
ふるふると力無く頭を振って
「いやだ…。」
小さな声で言う。
「じゃあ続けましょうかね?」
「や!」
イヤも応もない。
また突き上げ始めれば艶めいた喘ぎ声をあげてしまう。

もともと愉楽を感じれば素直に声をあげてきた。
今まで大佐を抱いてきた男達がそれを喜んだから。
だから彼には声を抑えた経験もなければ、そういう発想すらもなかった。
しかし今はどうしてもそれが厭だった。
愛するエドワードに、違う男に抱かれて悦ぶ声を聞かれるのが。
「んっ!や…ああっ!」
それでもどうやって声を抑えればいいのか解らない。
その気持ちが手に取るようにハボックには解る。
声を抑えようとする度に大佐のモノを指で弄んで、更に高い声をあげさせた。

エドワードに見られていること、声が抑えられないこと、イヤだと言っても命令を聞かないハボック、耐えきれない快感と自分のモノを縛られている焦燥感、そもそもどうしてここにエドワードがいるのか。
こんなに自分の思い通りにならないセックスなどしたことがない。
おかしくなりそうな感覚に涙が零れる。
もう半ばパニックに陥っていた。
それを解っているハボックは更に追いつめる。

「さあ。『羞恥プレイ』を堪能して下さいよ。」
激しく突き上げては大佐のモノを指先でくちくちと嬲る。
「や…あっ!やめっ!」
涙を次々と零して頭を振る様子にエドワードが
「なあ。大佐、イヤがってんじゃねぇのか?
 大丈夫か?」
心配になって声を掛ける。
正直、こんなのを見せられるのは腹立たしいほど不愉快だ。
しかしそれと目の前の大佐に怒るというのとはちょっと違っていた。
やはりエドワードにとって大佐は大切な人だったから。
「ん?じゃあどうなのか見てろよ。」

エドワードの言葉が大佐の脳裏まで届く前にと、ハボックは縛っていたヒモを外した。
いきなり抑えられていた枷を外され、一気に気の狂いそうな快感が全身に走る。
「ひ…っ!ああっ!」
勃起しきったと同時に達した。
悲鳴をあげながらびくびくと痙攣する躰に更にハボックは楔を打ち込む。
これで満足しないことは解っている。
もう一度後ろからの刺激で達してようやく1ラウンド終わるのが大佐のセックスだ。
それはエドワードも知っていること。

ハボックの突き上げに合わせて自分でも腰を感じる処に当てるよう自然に動かしている。
「あっ!ぁ…や…厭だ…。」
そんな自分をエドワードに見られるのはどうしても厭だと、快楽に溺れながらも幽かに思う。
その言葉を発した途端、ハボックが動きを止めた。
登り詰め掛けていた躰を止められて、思わず振り返ってその顔を見てしまう。
「次に『イヤ』って言ったらもうやめますから。」
無情に言われた言葉にまた涙が溢れる。
見られるのは厭だ。
しかしこの快楽に弱い躰はここでやめられることには耐えられない。

「ハボ…」
「ほら。なんて言ったらいいのか、もう解ってるでしょう?」
再び突き上げられて快感に屈した。
「あ…ぃ…イイ!…ハボック…もっと…。」
「そうです。イイコだ。」
「もっと…っ!ハボック…!」
厭なのに、それでも快楽を求めて発する自分の言葉に更に追いつめられていく。
こんなことは初めてだった。
「ほら。脚をもっと開いて。」
言うなりハボックは机を蹴って椅子を背後に下げる。
脚を開いてハボックを受け容れているところがエドワードによく見えるように。
「やっ!」
咄嗟に上がった言葉に
「イヤ?そう言いました?」
動きを止めて囁く。
「厭じゃ…ない。…もっと…。」

快楽に弱い自分の躰を厭だと思ったことなど、かつて一度も無かった。
誰にでもそれを喜ばれていたし、自分も気持ちがよかったから。
しかし今初めて厭だと思った。
エドワードに見られたくないのに、彼の前で痴態を晒して尚それを止められない自分の躰が。

「あ!あっ!もう…!」
それでもハボックのモノを求めて快感を貪ってしまう。
「ぁああっ!」
一際高い声をあげてもう一度達した。
それはいつもよりもずっと強烈な快感で
(ああ、これが『羞恥プレイ』と言うモノなのか。)
びくびくと躰を痙攣させながら、微妙に間違った感想を抱く。


ハボックが大佐の躰を机に倒す。
うつ伏せでまだ痙攣している、息が荒いままの大佐にエドワードが歩み寄った。
「報告書、どうする?
 今すぐ読めるか?」
その感情の読めない表情と声が哀しい。
それでも彼に何か言い訳をすることはできない。
自分が愛していることを、するべきことを背負っている少年に伝える訳にはいかないから。
「もう少し…待ってくれたまえ。」
荒れた息の中で応える。

エドワードだけを愛しているのに。
こんな自分を見られてしまった。
それを断罪される権利もない。
涙が抑えられなかった。
ただ自己嫌悪に打ちのめされていた。

「大将、ちょっと待っててな。」
ハボックは大佐を抱き上げて仮眠室に隣接しているシャワー室に運び、エドワードのところに戻ってきた。
「悪いけど大佐にシャワーを浴びさせて後処理をするまでオレの仕事なんだわ。」
まだ引き渡しが出来ないことを告げる。
「仕事?」
エドワードは怪訝な顔をした。
「そ。オシゴト。
 オレは中尉の命令で、敵を増やさないよう大佐の相手をしてるんだ。
 正しくはこの後、中尉に報告するまでがオレの仕事。」
「え…?
 それって…オレも?」
どこまでも自分を卑下しようとする少年がハボックには哀れだった。
自分の想いを伝えられない大佐も。

「んー?大将は一度でも『上官命令だ』って言われて大佐を抱いたことがあったか?」
勝手に上官の想いを伝える訳にはいかない。
けれど余計な誤解をさせることもないだろう。
「いや…。ないけど。」
「じゃ、そりゃ大佐が大将に抱かれたいから抱かれてんだな。」
このくらいは伝えておいてもいいだろう。
「そう…なのか?」
「ああ。そうだろ?
 でな、すまないんだがこの後大佐はしばらく中尉に怒られる仕事が待ってるんだ。
 大将、待ってて貰えるか?」
「怒られる?」
「そうだ。今日のコレもあんまりセックスんときに無防備な大佐をなんとかしたいからでな。
 ようやく落ち込んだところだ。
 ガツッと中尉に怒って貰って、少しは身を慎んで貰えたらってことなんだわ。」
ようやく話が飲み込めたらしい。
「ああ。少しは身を慎んだ方がいいな。」
「だろ?」
にかっと笑うと同様ににかっと笑い返してくる。
ハボックは本当に自分はこの少年が好きなのだと、自分の愛する大佐を任せられる人間だと思った。


「で、自分がどれだけ無防備だったかが解りましたか?」
「ハイ。」
「自分が望まない性交渉に対する恐怖も解りましたか?」
「ハイ。」
「誰にでも身を任せるのがどれだけ危ないかも?」
「ハイ。」
「他の男性に抱かれる度に、エドワード君に見られるとしたらどうですか?」
「イヤデス。」
「では、これからはエドワード君とハボック少尉とだけ性交渉をすると誓えますか?」
「え…?将軍達とは?」
「出世の為でしたら目をつぶりましょう。
 それ以外の方とは一切止めて戴きます。
 宜しいですね!?」
「宜しいデス。」
「正しく!」
「…了解シマシタ。」

部下のハズの女性の前で床に正座をしながら俯いて問答をしている男を、ハボック少尉と笑いながら見ていた少年は少しだけ疑問を抱いた。

(なんでオレに見られたらイヤなんだ?)

それは幸せな疑問。
いつか解かれる、甘やかな疑問。


しかしその直後にエドワードにいつものようにセックスを迫り、呆れられた大佐の乱行がそれ以後治まったという噂はあまり聞かれない。



             fine


061121



しまった!
エドにアンアン言わされるロイが書きたかったのに、ハボに言わせちゃったYO!

いや、ロイが元気ならいいんですよ!
身も精神も元気なら!
お母さんはそんな気持ちです。
「脇道」で壊れたロイを書いてたらそう思えました。


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